生涯を通して学習の連続

看護技術を身につけるためには、現場での経験にプラスして常に何かしらの看護のための学習を続ける必要があります。しかし、実際に仕事をしながら自力で学習を続けるというのは、看護師の仕事以外であってもとても大変なことです。まして、多くの仕事の中でも忙しさにおいては定評のある看護師です。日々の業務をなんとかこなしていく中で学習に割くことのできる時間はどうしても限られてきます。

それでも、看護師ほど入職以降も成長が求められる仕事も他にはそうありません。忙しさと成長。このジレンマを解消するのはそう簡単なことではありません。日本看護協会では、こうした看護師のキャリアアップを支援するために看護研修学校と研修センターを設けています。これらを利用することで、現役の看護師のキャリアアップはもちろん、新人看護師の学習の場として、さらには、十分な経験を積んだ准看護師が正看護師になるための教育など、看護師のキャリアをより向上させるための様々な教育を実施しています。

単純に研修や講習を開くだけでなく、継続して看護師を成長させるための教育の基準を定めていたり、各地で研修や研究を行うために必要な資料を取り揃えていたり、キャリアアップのために必要な教育を受けるための奨学金や助成金制度の運営も行われています。看護師は、看護師資格を得ればそれで良いというものではありません。より良い看護を実現するために日々努力をしなければなりませんし、そのために様々なことを学習しなければなりません。自力でそれを成し遂げるのは困難ですが、こうした研修施設などを効果的に利用することによって、より高い看護技術を身につけて、将来的に看護師としてさらに高いステップを目指すことができます。

認定看護師や専門看護師になるための学習もですが、それ以外にも看護師としてできることはたくさんあるはずです。そしてそれは、看護師一人一人が抱く理想の数だけ方法があるのです。一つの方法だけでなく、より多方面から看護師として成長するためにも、こうした制度をうまく利用しましょう。研修センターや研修学校を利用することをはじめ、学会やイベントの情報を集めて、自分の思う理想の看護師へのプロセスをぜひ掴んでください。各イベントや研修の情報は随時日本看護協会のサイトにアップされていまので、気になるものがあれば遠慮せずに問い合わせるといいでしょう。